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「人生会議」どう思いますか?【聞かせてください! 現場のホンネ】(90)

No.4946 (2019年02月09日発行) P.69

登録日: 2019-02-11

最終更新日: 2019-02-05

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人生の最終段階を含む今後の医療・ケアの方針について、本人が家族・医療者と話し合う「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)。厚生労働省は昨年11月、国民への普及啓発を目的として、その愛称を「人生会議」に決定しました。

愛称ができたことでACPの認知度は上がるでしょうか。本誌が意見を募集したところ、96人の読者から有効回答があり、そのうち「大きく/ある程度向上すると思う」は計53人(55.2%)と、「あまり/全然向上しないと思う」(32人、33.3%)を上回りました(図)。

また、患者についてACP(人生会議)に取り組んだ経験が「ある」としたのは有効回答95人中39人(41.0 %)、自身について取り組んだ経験が「ある」としたのは有効回答94人中25人(26.6%)でした。
ACPまたは人生会議について、読者から寄せられた意見を以下に紹介します。

ACP(人生会議)に対する意見

愛称と意義を巡って

◉ACPでは難しい。人生会議なら利用者さまも取り組みやすそう。でも、支える側の医療者側の認識もまだまだなのでは。(勤務医)
◉重いテーマを軽く扱っているようで「人生会議」には当初違和感を覚えたが、重いからこそ気軽に話し合うきっかけになればと思うようになりました。 (勤務医)
◉「人生会議」では子育てや転職等を連想してしまう。もう少し医療に関わる和製語がよいと思いました。(医学生)
◉愛称だけで認知度は上がらず。コーディネーター制度など多職種による底辺からのアプローチこそ重要と思います。(勤務医)
◉最期の迎え方を確認するためには家族をできるだけ呼んで意思統一を図るべき。必要ない医療費を消費しないためにも、人生会議は終末期医療に必須だと思います。(勤務医)

普及する上での課題・提案

◉保険で償還されなければ経営者が重視することはなく現場の徒労になる。 (勤務医)
◉莫大な時間と労力をかける必要があると感じています。(開業医)
◉大学病院など大きな施設での導入は難しいかと。働き方改革による労働時間の見直しで困難な場合が出るかもしれません。 (勤務医)
◉誕生日ごとに家族でACPを行うよう習慣づけすれば身近になるでしょう。(職種不詳)
◉経験上、本人が希望を記載できるのは1割、あとの9割は「意識状態・病状の悪化」でご家族が記入される。臓器提供の意思表示のように役場や免許センター等で周知できればいい。(勤務医)
◉アプリがあれば離れた場所でも一緒に作れそう。(保健師)
◉国主導で取り組むのではなく、医療界がその自律性を生かして取り組むことのような気がします。 (職種不詳)

自分の問題として

◉今まであまり知らなかった。これを機に勉強したいと思います。(勤務医)
◉今65歳で公務員勤務を終える。元気でいる限りは何らかの形で医療に携わっていけると思うが、いずれ体力・気力が萎えてくる。そろそろACPに関わろうと思う。 (勤務医)

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