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骨代謝マーカー [今日の新しい臨床検査─選び方・使い方(9)]

No.4777 (2015年11月14日発行) P.40

監修: 前川真人 (浜松医科大学医学部臨床検査医学教授)

三浦雅一 (北陸大学薬学部長/生命薬学講座臨床解析学分野教授)

佐藤友紀 (北陸大学薬学部生命薬学講座臨床解析学分野)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-09

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  • 1. 骨粗鬆症の診断の流れ

    骨粗鬆症の診断のための検査,診断基準の詳細については,日本骨粗鬆症学会『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版』を参照して頂きたい。骨粗鬆症の臨床診断の手順は図1の通りである1)
    骨粗鬆症の臨床に不可欠な指標は,骨代謝マーカーのような,より動的なマーカーである。骨の代謝は日々動的に変化し,同じ骨密度(bone mineral density:BMD)であっても代謝状態は異なり,病的な意義も異なる。このため,BMD測定を動的マーカーとするためには,半年ないし1年の観察期間を置いた再測定を待たなければならないが,骨代謝マーカーは現時点での骨代謝状態を鋭敏に反映する2)。また,骨代謝マーカーは薬物選択の指針として用いることも考えられ,薬物選択に迷う場合には骨代謝マーカーを用いることで,より適切な選択が可能となることもある。なお,薬物治療による病態改善効果を判断するためにも,できる限り診断時に骨代謝状態を評価することが推奨される2)
    2012年に日本骨粗鬆症学会より公表された「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン2012年版」3)〜5)の普及もあり,骨代謝マーカーは骨粗鬆症診療においては必要不可欠な臨床検査項目に成長している。

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