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【書評】標準頸動脈エコー─テクニックと意義

No.4918 (2018年07月28日発行) P.68

平井都始子 (奈良県立医科大学附属病院総合画像診断センター病院教授)

登録日: 2018-07-24

最終更新日: 2018-07-24

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頸動脈エコーは無侵襲で簡便に実施でき、内膜・中膜複合体厚(IMT)やプラークの形成から動脈狭窄、閉塞へと進んでいく形態的変化をリアルタイムに詳細に評価できる検査法である。これまで、頸動脈エコーで計測したIMTの肥厚の程度と高血圧、糖尿病、脂質異常症など動脈硬化の危険因子との関連や、薬物療法によるIMT肥厚の抑制効果などについて多くの研究成果が報告されてきた。脳血管障害や冠動脈疾患、閉塞性動脈硬化症の診断やリスク評価だけでなく、生活習慣病における動脈硬化のリスク層別化など、スクリーニング検査としても頸動脈エコーは広く施行されるようになってきている。

また、これまでは統一されていなかった頸動脈エコーの検査方法や評価指標の統一を図り、日本超音波医学会と日本脳神経超音波学会が共同で「超音波による頸動脈病変の標準的評価法2017」を作成した。

本書は、この標準的評価法2017を作成したメンバーが中心になって執筆された。単に頸動脈エコーの検査手順を示すだけでなく、正確な計測のためのテクニックや評価法、計測の意義について、これまでのエビデンスを含めてわかりやすく解説されている。またIMTの計測やプラークの分類についてはQ&A形式で実際の画像が多数掲載されており、これから頸動脈エコーを始める方はもちろん、頸動脈エコーに自信がない方や超音波検査士(血管)を目指す方にも非常に役立つ。巻末には機器メーカーの最新情報や、新旧の標準的評価法をまとめた表が示されている。

頸動脈エコーを積極的に実施している施設だけでなく、これから頸動脈エコーを導入する施設でも、最新の装置やソフトの情報、技師の教育、評価法からレポートシステムまで全てを指南してくれる1冊となること請け合いである。標準化された検査法と評価法に基づいて、今後、本書が広く読まれるとともに日本人におけるエビデンスが蓄積されていくことを期待する。

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