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心室頻拍

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-13
野上昭彦 (筑波大学医学医療系循環器不整脈学寄附講座教授)
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  • ■疾患メモ

    ヒス束とそれより下位の刺激伝導系,すなわち,脚,プルキンエ線維,あるいは心室筋を起源とする頻拍を心室頻拍(ventricular tachycardia:VT)と言う。

    3連発以上30秒未満のものを非持続性VT,30秒以上持続するもの,あるいはそれまでに血行動態が破綻するものを持続性VTと言う。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    無症状のものから意識消失をきたすものまである。他の症状としては,動悸,めまい,頭軽感,胸痛,胸部苦悶などがある。長期間持続する遅いVTの場合,動悸症状よりむしろ心不全症状で初診することもある。

    一般的に,器質的心疾患(虚血,心筋症,心筋炎,弁膜症など)に合併するVTは,器質的心疾患を有さないVT(特発性VT)に比較して重症度・危険性が高い。

    【検査所見】

    心電図で100拍/分以上の幅の広いQRS波を認める。典型的には,QRS幅は140ms以上である。心室内変行伝導を伴った上室性頻拍との鑑別は,房室解離を認めるものや北西軸のものは,ほとんどVTと診断できる。典型的な脚ブロック・パターンでないものや,QRS幅がより広いものなども,その可能性が高い。

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