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慢性血栓塞栓性肺高血圧症[私の治療]

No.5284 (2025年08月02日発行) P.46

矢尾板信裕 (東北大学病院循環器内科病院講師)

登録日: 2025-08-03

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  • 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)は肺動脈内に器質化血栓が生じることで,肺高血圧症をきたす疾患である。高齢女性に多く,原因はわかっていない。急性肺塞栓症後に発症することもあるが,CTEPH患者の半数は急性肺塞栓症の既往はない。また,CTEPHは他の肺高血圧症と治療法が異なり,治療ができれば他の肺高血圧症より予後良好である。

    ▶診断のポイント

    症状は労作時息切れが多く非特異的であるが,重症患者では下腿浮腫や失神を伴う場合がある。特に肺塞栓症の既往や低酸素血症を認める場合は,CTEPHの可能性が高くなる。診断には肺換気血流シンチグラフィーや造影CT,心エコー図検査,心臓カテーテル検査を行う。

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