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罪深き入試ミス[なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(184)]

No.4891 (2018年01月20日発行) P.64

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2018-01-17

最終更新日: 2018-01-16

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  • 大阪大学での入試ミス、誠に申し訳ないことだ。幸いにも指名されたことはないが、入学試験の出題委員は最もやりたくない仕事の一つである。膨大な時間と手間がかかる上、批判されることはあっても誉められることはない。それに、あってはならないとはいえ、ミスを完全になくすのは難しい。

    今回の件、昨年6月以来、3回目の指摘でようやく本腰をあげたというのは、どう考えても弁解の余地がない。出題や採点のミスを取り消すことはできないが、最初の段階で対応していれば、関係者への影響はうんと小さかったはずである。

    誤った不合格通知をうけて浪人した子には、1年間をムダにさせたことになる。働く年数が1年減ったわけだから、予備校の学費だけでなく、得られたはずの収入の補償も考えるべきかもしれない。それだけではない。浪人時代のストレスや心理的重圧に対する償いは何をもってもできはしない。

    他大学に入学していた子には、その大学に残るか転学するかという大問題がある。第一志望だったはずの阪大に来るだろう、というのはいささか奢った考え方だ。

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