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「思い」を馳せる[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.135

飯塚陽子 (東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科特任講師)

登録日: 2018-01-09

最終更新日: 2017-12-22

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中国には「一年の計は元旦にあり」(一年之计在于春)という諺があり、計画(決心)すること、思い立つことが大切であると理解しております。私の好きな言葉は「意志あるところに道あり」(有志者事竟成/Where there is a will, there is a way)で、自戒の念を込めて、学生にも自分のやりたいこと、自分しかできないこと、自分の強みが活かせるようなことをしっかりと見つけ、常に自分の心の声を傾聴しながら、性別・年齢・身分・固定観念等にとらわれることなく、自由な発想で自分に挑戦し続けてほしい。「思い」さえあれば、既にその夢実現の道の半分以上のところまできているのではないか、と自分の経験からそう感じており、学生にも理想を高く持ちましょう、といつもお話しております。

人間は、「肉体的、精神的、知的、社会・情緒的」な4つの側面を持っていると仮定すると、今の医療において、肉体的な側面へのアプローチが主である中、最近では「意識」の健康に対する影響も研究されるようになり、益々「思い」の大切さが見直されつつあります。また、人工知能が技術的に私達が想像している以上に急速に発展し、人の代わりになる様々なロボットが注目されている中、人として、自分ならではの「思い」が益々重要な存在となってくるのではないかと思います。日本語には「思いやり」「思い入れ」等、「思い」に関連づける言葉が沢山あり、それだけ人の思いを大切にする国だ、と改めて実感しているところです。

私は中国生まれのハーフであり、最近、日本式糖尿病チーム医療を中国に展開し、大変好評です。また、持続可能な有用性が検証でき、現在内閣官房のサポートの下、中国各地において、日本式糖尿病専門病院の設立に向けて準備を進めているところです。今回のプロジェクトを通して改めて思ったのは、人は「心」(思い)でもって人の「心」を動かすことができるということです。これからもお互いの強みをフルに活かし、win-winが得られるよう、人類共通の財産で、限られた資源である医療のために、共に貢献していければ、と心を新たにした次第であります。

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