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職責をかけて臨むJCI再審[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.32

天野 篤 (順天堂大学医学部附属順天堂医院院長)

登録日: 2018-01-02

最終更新日: 2017-12-20

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東日本大震災の前年に始まった順天堂医院の新棟建設も、2棟の新築と移転後の跡地改築が本年度中に大体終わることで、現在のほぼすべての医療に対応できる、きわめて高規格な病院が完成する予定である。さらに、2015年に取得したJCI(Joint Commission International)認証も病院の完成に合わせて初回よりもハードルが高い再審を迎える。

患者さんの安全を保ちながら、高度に管理された効率的な医療を提供し、診療のみならず、施設・設備、またその中で使用する医薬品や医療材料の管理面まで、さらには給食管理から災害・事故などへの危機管理も含めて隙のない運営が要求される。加えて、大学病院としての教育面や臨床研究管理まで、評価される測定項目は約1300存在するが、要件を満たしていても油断しないで高いレベルを維持するために努力し続けなければならない。しかし、冷静に考えてみると、このタイミングで病院長を担当していることに大きな使命感を感じずにはいられない。

前回のJCI受審の際には新棟の建設中で、診療導線に制限を受けながらも職員が一丸となって合格に導いたものだが、今回は設備面では全国的にも最新と胸を張れる内容である。また、前回受審の際にリーダーとして頑張ってくれた職員が数多く残り、再審をパスしない理由が見当たらない。あるとすれば、職員一人ひとりの怠慢や、前回合格したから、という驕りしかありえないだろう。高度な医療を提供できる施設・設備で、世界レベルの管理・運営を担っているのは病院長としては心地よいが、職員の緊張感は相当なものだろう。また、JCI認証が職場の改善意識を高め、能力向上に貢献していることは明らかである。このような正負の効果を整えていき、最終的には患者さんの利便性と安全につなげ、総合的な満足を感じて頂くことがゴールととらえている。

自分自身では、病院の管理だけでなく患者さんの手術と講座に所属する医局員の教育も大きな責務だが、今年度のJCI再審と再認証には職責をかけて臨み、来年のこの欄でよい報告ができることを願うばかりである。

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