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働き方改革の背景にあるもの[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.27

自見はなこ (自民党参議院議員)

登録日: 2018-01-02

最終更新日: 2017-12-20

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2017年9月に機会を得て、1週間ワシントンとニューヨークで議員交流プログラムに参加した。ワシントンでは共和党、民主党の議員、政治支援団体、シンクタンク、トランプ政権移行チームの責任者に会い、ニューヨークでは、民間企業や政治に進出している女性の学者、在米日本人会との交流も持ち、議員が外国に行き勉強することや議員同士の交流の大切さを認識した。

さて、男女共同参画に関して、米国は政治の場面ではクオータ制を導入していない。性別にかかわらず能力で評価されるべきだという考えによる。そして社会制度では、出産後3カ月間は同じポジションが約束されるが、その間は無給であり、育児休暇制度はない。3カ月以上の休暇は雇用主との個別交渉で、退職になることが多いという。仕事内容による契約社会で、高度プロフェッショナル制度類似のものは年収200万円台からである。小さな政府の中で、人々が逞しく生きている。

比較して欧州では、この20年間で家族支援や女性就労の取り組みが功を奏し、労働時間の短縮と、合計出生率の向上とGDPの上昇を成し遂げた国々もある。どこに違いがあるかを見れば、1つは労働組合のあり方にもあるようだ。欧州では、労働組合の労働者カバー率は7~9割の国が多いのに対して、日米では2割を切る。また、欧州では労働組合が社会民主的な発達により職業別に存在し、会社横断的にナショナルベースであることが多い。面としての働きで業界全体が一様に仕事の効率化を突きつけられつつ、経営の舵きりを求められる構造がある。労働組合が会社ごとである日本とは違う。

そういった観点を踏まえると、日本には職能団体としての医師会があり、職業としてナショナルベースで横断的に働き方について取り組むことは可能なようにも映る。医療職種は75%を女性が占め、最も女性比率が高い職域である。

働き方改革と女性医療職の活躍、そして、地域医療構想、公的医療機関のあり方、医療ICTの5つは密接に結びついている。社会構造のあり方や変化などにも目配りしつつ、わが国の国民医療の発展に寄与できれば幸いである。

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