株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

私の「今年の漢字」[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.23

峰松一夫 (国立循環器病研究センター病院病院長・日本脳卒中協会理事長)

登録日: 2018-01-02

最終更新日: 2017-12-20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

国立循環器病研究センターで長く脳卒中の診療・教育に従事し、2年前より病院長、公益社団法人日本脳卒中協会(以下、協会)理事長を務めている。これまでの脳卒中予防啓発、患者・家族支援活動を通し、社会的・政治的障壁の大きさを痛感し、問題解決のために2008年から協会幹部として「脳卒中対策基本法」に取り組んできた。今年で丸10年である。

この間、相次ぐ国政選挙、2度の政権大交代、そして東日本大震災をはじめとする大災害が相次いで、法案は何度も挫折した。中でも、2014年にやっと議員立法として参議院に発議された法案が、同年11月の衆議院解散により廃案となってしまったことはショックであった。

2016年より、日本循環器学会等と協同で、「脳卒中・循環器病対策基本法(以下、基本法)の成立を求める会(以下、求める会)」を組織した。求める会の活動内容や関連情報は,ホームページ〔http://www.junkankitaisaku-motomerukai.org/〕で知ることができる。2017年は国会請願活動を活発に行ったが、秋の衆議院解散・総選挙によりリセット状態となった。

激動の10年間を回想するとき、公益財団法人日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」に遭遇した。2008年は「変」であり、以下、新、暑、絆、金、輪、税、安、そして2016年の「金」に至る。東日本大震災時の2011年「絆」、消費税率引き上げ時の2014年「税」などは見事である。本稿を執筆時(2017年10月)は、2017年の漢字はわからない。

私は日本脳卒中学会学術集会を主宰させて頂き、テーマを「脳卒中に学ぶ」とした。西郷隆盛も座右の銘とした佐藤一斎の『言志四緑』からとったものである(後述)。したがって、私の2017年「今年の漢字」は「学」である。2018年の漢字は何だろうか? 基本法成立の「成」や、望みが叶うの「叶」、皆が満足する「満」など、明るい漢字であれば、と願うばかりである。

少なくして学べば、即ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、即ち老いて衰えず。老いて学べば、即ち死して朽ちず(佐藤一斎『言志四緑』より)。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top