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肉の脂身[炉辺閑話]

No.4889 (2018年01月06日発行) P.107

片山直之 (三重大学医学系研究科科長・医学部長、血液・腫瘍内科学教授)

登録日: 2018-01-07

最終更新日: 2017-12-20

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三重県で認知度が高いものと言えば、伊勢神宮と松阪牛である。一昨年5月に伊勢・志摩で開催されたG7サミットが、さらにそれらの知名度を押し上げたが、その後G7サミットが開催されたホテルについては諸料金が高騰し、我々庶民から遠ざかってしまった。

このような嘆きはさておき、その松阪牛の松阪肉であるが、心の底から自慢できる代物である。松阪市内にある老舗に出向き、松阪肉のヒレ肉の網焼きを戴くと、唇で切れる柔らかいお肉で、味は絶品中の絶品である。すき焼き肉を味わったときにはさらに驚かされる。それは、その脂身の部分である。まったく癖がなく、脂身を食べている感覚はない。お舗の方が「うちのお肉の脂身はオリーブオイルです」とおっしゃる。その通りである。松阪牛の子牛は但馬牛であるので、育て方と育った環境のせいであろうか?

私は三重県の北端にある山間部の田舎育ちである。3年前、45年ぶりに中学の同級会が開催され、同級生から家族の医療について相談を受け、いろいろと対応した。その同級生が、その人の従兄弟が地元で営んでいるピッグファームで生産された豚肉の詰め合わせを送ってくれた。ロースからバラ肉まで、その脂身のあっさりしていることに衝撃を受けた。料理をされた人には申し訳ないと思うが、トンカツやトンテキのギトギトした脂身が苦手で、その部分はこれまではお皿に残すことが多かった。しかし、そのピッグファームの豚肉の脂身はまったく別物であった。それ以降、豚肉はそのピッグファームからネットで購入している。

ピッグファームは私の故郷の山腹にある。そこは空気と水がきれいである。これも飼育方法と環境が大きく寄与していると考えている。
牛肉と豚肉の脂身の清々しい旨さを味わえて、うまし国三重に感謝している。ビール、ワインとともに松阪肉や故郷のピッグファームの豚肉を食しているときが至福のときである。

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