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冠動脈のステント治療の適応と術後使用薬剤は?【狭窄の程度や併存症を考慮して,術後は抗血小板薬2剤併用。その期間は短縮傾向にある】

No.4854 (2017年05月06日発行) P.61

夏秋政浩 (福岡県済生会福岡総合病院循環器内科部長)

登録日: 2017-05-01

最終更新日: 2017-04-27

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  • 冠動脈のステント治療の適応と術後の使用薬剤について,最近の知見をご指導下さい。

    (千葉県 M)


    【回答】

    冠動脈に狭窄をきたすと,坂道や階段を登る際に,胸の痛みや圧迫感が生じます。これが狭心症です。冠動脈が血栓などで閉塞すると,突然胸の痛みに襲われます。これが心筋梗塞です。冠動脈のステント治療は,冠動脈の狭窄,閉塞をきたす,狭心症,心筋梗塞に適応があります。手首や大腿の動脈からカテーテルを挿入しステントを留置するため,比較的低侵襲で行えます。

    心臓の血管3本すべてに狭窄を有する場合,左冠動脈主幹部に病変がある場合には,冠動脈バイパス手術も考慮されます。病変の部位や形態,心機能,腎機能,糖尿病などの患者背景を総合的に考え,ステント治療を行うか,冠動脈バイパス手術を行うか決定します。

    ステント治療後の使用薬剤で必須なのが,抗血小板薬です。ステント治療後の問題点の1つであるステント血栓症を予防するために,ステント留置後は抗血小板薬を2剤内服する必要があります。アスピリン(バイアスピリン®)に加え,クロピドグレル(プラビックス®)またはプラスグレル(エフィエント®)を服用します。

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