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未年生まれ [エッセイ]

No.4737 (2015年02月07日発行) P.72

岡林弘毅 (日本医師会理事(高知県医師会会長))

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-09

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  • 今年は自分の干支の年に当たる。6巡りした72歳という年齢は、いわゆる健康寿命をクリアーしたことになり、平均寿命まで8年、平均余命でいくと10数年ということになる。

    ちなみに、日本人の平均寿命は平成25年には、男性も80歳を超え80.21歳に、女性は86.61歳と2年続けて世界一となっている。しかし、健康寿命については平成22年時点で、男性70.42歳、女性73.62歳であり、平均寿命と健康寿命の差は男性9.13年、女性12.68年である。

    日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間とされる健康寿命と平均寿命との間には大きなタイムラグがあり、「寝たきり」によって平均寿命が延ばされているという側面は悩ましい限りである。

    救急医療の現場は救命至上主義であり、命を助けるという使命感のもとでは、その予後にまで配慮する余裕などないというか、意識など持ちあわせなくて当然といえよう。とはいえ、命は助かったが「寝たきり」という現状をみるにつけ、下世話にいう「ピンピンコロリ」の願望も悲観的といわざるをえない。

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