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ツワモノドモが夢のあと [炉辺閑話]

No.4837 (2017年01月07日発行) P.44

小倉真治 (岐阜大学医学部附属病院病院長)

登録日: 2017-01-02

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松尾芭蕉の有名な句のひとつに「夏草や 兵どもが 夢の跡」(なつくさや つわものどもが ゆめのあと)という句がある。奥の細道の中でも、心にしみる1つである。奥州平泉を訪れた芭蕉は、藤原三代の栄華あとが夏草に覆われているのを見て儚さと義経の最期を偲び、あの有名な句を詠んだと言われている。茫洋とした風景が目に浮かぶのである。

さて、岐阜大学医学部および附属病院は2004年6月に新築移転し、市内にある旧キャンパスから約7km離れた郊外に移転した。私が学生時代に汗や涙を流した跡地はしばらく更地となった。所々に夏草の生えるその更地はまさにツワモノドモが夢のあとという風情で、そこに大学の医学部や附属病院があったとは思えない状態で数年過ごした。

2015年7月に岐阜市が新たな施設を開設したが、その名も「知の拠点 みんなの森ぎふメディアコスモス」という建物であり、市立図書館を中心として使い勝手のよさそうなホールを含めた地域交流機能を持つ複合施設・公益文化施設である。こう書いてしまうとどこの町にもある複合施設のように思えるが、利用してみるとなかなか居心地がよく、まさに知の拠点といっても過言ではないように思える。

その敷地の一角に岐阜大学医学部跡地である記念のモニュメントを設置しようという構想を同窓会が具現化しようとしており、私にとっても汗や涙を流した場所へのモニュメント設置は嬉しい。

さらに2017年9月にそのメディアコスモスを会場として「日本ショック学会」を主催することとなった。私自身の思い入れもこめて会場に選んだわけであるが、夢のあとから未来への発展を祈るものである。

ちなみにその学会のメインテーマは「The wonders of science should be focused on improving life」とし、発展を祈念するものとした。

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