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オールラウンダーとスペシャリスト [炉辺閑話]

No.4837 (2017年01月07日発行) P.92

松本吉郎 (日本医師会常任理事)

登録日: 2017-01-03

最終更新日: 2016-12-26

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リオ五輪の男子体操には感動した。団体と個人総合の内村の金メダル、種目別跳馬の白井の銅メダル獲得には拍手を送った。日本の体操は元々6種目すべてをこなせるオールラウンダーを理想とする。過去には、遠藤、加藤(沢)、監物、笠松、具志堅、冨田といった名選手を輩出している。しかし、内村も含め前述の選手達はオールラウンダーだけでなく、種目別にも力を発揮したスペシャリストでもあった。今回の代表のうち、スペシャリストは床運動と跳馬を得意とする白井であったが、今後はオールラウンダーをめざすと言う。オールラウンダーからスペシャリストをめざし、そして、さらにスペシャリストからオールラウンダーをめざす。飽くなき意識の高さが、さらに自らを高めていくのだと思う。

我が身に戻れば、第一線の臨床医として皮膚科全般の患者を治療している。5段階評価で言えば、すべての領域で3ないし4の成績を取ることが理想である。さらに専門領域でもある皮膚外科は評価5が目標である。実際にはとてもその理想に到達していない。

「木を見て森を見ず」とよく言われる。逆に、「森を見ず、木を見よう」という言葉もある。まず目の前の木を一本切ることに集中する。一本、一本を切る積み重ねが、いずれ集大成に結びつくという意味であろう。

大相撲秋場所で大関豪栄道は、勝ち進んでも「一番一番」と発言していた。結果を考えず、目の前の一番に集中した結果が全勝優勝に結びついたと言える。

平成28年6月より、日本医師会常任理事に就任した。まず、主担当である「共同利用施設」「産業保健・労働衛生」「環境保健」「国民生活安全対策」「小児在宅ケア」にしっかりと対応できるようにしたい。その上で、他の分野も少しずつ勉強し幅を広げていきたいと思う。目の前の木を一本一本切り倒しながら、国民や医師会会員のためを願って、少しでも成長していくために努力したい。少し理想が高すぎると言われそうであるが、「かかりつけ医」と同じようにオールラウンダーでありながら、いくつかのスペシャリストであることが理想と考えている。

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