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握手して人さし指で脈測る [エッセイ]

No.4764 (2015年08月15日発行) P.74

菅 弘之 (国立循環器病研究センター名誉所長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-14

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医療の基本診察に脈拍測定がある。その測定は患者の脈拍数、脈拍強度、不整脈の有無などを観察することである。

通常は相手の手首付け根の橈骨動脈部分に人さし指と中指を当てて測る。医療現場ではそれで特に問題はないが、介護現場では相手に対してもっとよい雰囲気になる方法があることに最近気づいて実行している。

それは、まず患者と目を合わせ、挨拶をしながら握手をして問診を始める。そして、握手を持続した状態で自分の人さし指を相手の前腕動脈部分に当てて脈を診るのである。これによって脈拍測定ができる。その間、相手と目を合わせて話をすれば、相手とほぼ対等の関係という心理状態で相手も安心できる。

要介護者にどちらの脈拍測定がよいかと尋ねると、やはり「握手のほうがありがたい」との返事がほとんどであった。この方法を既に実行している医師もおられるかもしれないが、念のため書かせていただいた。


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