株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

【私の一冊】『冬の鷹』

No.4790 (2016年02月13日発行) P.71

井上善文 (大阪大学国際医工情報センター栄養ディバイス未来医工学共同研究部門特任教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • わが国の医学史上画期的な出来事であると誰もが認める『解体新書』の出版について、訳著者となっている杉田玄白と、実際の訳者前野良沢の生涯を記した小説(吉村 昭 著、新潮社、1974年刊)

    学究の徒としての生き方を考えさせてくれる作品

    『解体新書』の翻訳において、前野良沢と杉田玄白の訳業とその背景が書かれている。最終的に訳者として世に認められた玄白だが、実は、蘭語を翻訳したのは良沢であったという歴史を紐解きながら、2人の生き方を対比している。玄白は蘭学の先駆者としての名声を博したが、本当は蘭学に通じてはいなかった、ということである。『蘭学事始』に掲載され、教科書でよく使われている「鼻はフルヘッヘンドしたものである」という逸話は、実は、原書には「フルヘッヘンド」という単語がない。ここに玄白の人間性を垣間見る思いがする、と吉村氏は記載している。

    残り432文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    関連求人情報

    もっと見る

    関連物件情報

    もっと見る

    page top