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産婦人科医師の心血管疾患予防に対する意識

No.4765 (2015年08月22日発行) P.50

篠原康一 (愛知医科大学産科・婦人科准教授)

登録日: 2015-08-22

最終更新日: 2016-10-26

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中高年の女性にとっては,いまだ内科にかかるほど重症ではない疾患に関しては,今後の生活習慣や健康管理により,疾患の発症そのものを抑制できる可能性がある。しかし,わが国において,これまで産婦人科医師の予防医学に対する意識に関するデータは少なく,切望されていた。
女性ヘルスケア委員会の中高年女性のヘルスケアのための管理指針作成小委員会によって行われた産婦人科医師の心血管疾患に対する認識のアンケート調査によると,(1)脂質スクリーニングをする医師は25%と少なく,高血圧や糖尿病に比べて低い結果となった。自科で管理する医師は13%と低率であったが,更年期を専門とする医師では74%が自科でスクリーニングし,70%は管理目標を実際に利用し,58%が自科で管理することが判明した。(2)血圧測定を行う医師は76%と高率であった。中でも産科・周産期を専門とする医師で89%,更年期を専門とする医師で82%と意識が高いことが判明したが,自科で管理する医師は7%と低かった。(3)血糖測定は70%の医師が行うが,その中でも,産科・周産期専門の医師では81%と最も意識が高かった。更年期を専門とする医師も意識が高いものの,産婦人科全体では自科で管理する医師は2%だった。
以上の結果から,産婦人科医師全体として心血管疾患の予防医学という観点からの認識はきわめて低く,また専門分野(サブスペシャリティ)の違いによってリスク因子の管理に対する考え方が異なることも示された。

【参考】

▼ Douchi T, et al:J Obstet Gynaecol Res. 2014;40(2):353-9.

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