更年期とは,閉経前の5年間と閉経後の5年間とを合わせた約10年間と定義される。更年期に現れる多種多様な症状の中で,器質的疾患が否定され,日常生活に支障をきたす場合を更年期障害1)とする。卵巣機能の低下が主たる原因であり,加齢に伴う身体的変化,精神・心理的要因,社会文化的な環境因子などが複合的に影響することによって症状が発現する。
更年期障害には標準的な診断基準は存在しないため,更年期にある女性の症状が更年期障害として矛盾しないかという視点で診断する。症状は非特異的な場合が多いが,血管運動神経症状(のぼせ,ほてり,発汗),不眠の頻度が高い。
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