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eGFRでNOACs減量を判断できる?【eGFRでは体重が考慮されないため不可】

No.4791 (2016年02月20日発行) P.62

髙橋尚彦 (大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学 講座教授)

登録日: 2016-02-20

最終更新日: 2016-12-15

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【Q】

新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulants:NOACs)減量時に推定クレアチニンクリアランス値(CCr)を算出しますが,推算糸球体濾過量(eGFR)で代用できますか。 (和歌山県 T)

【A】

CCrもeGFRも腎機能を評価する指標です。表1に示すように,この2つの指標の大きな違いは,CCrには「体重」が含まれるのに対してeGFRには含まれないことです。たとえば,血清Cr値,年齢と性がまったく同一の患者A,患者Bがいるとします。Aの体重が80kgでBの体重が40kgとすると,eGFRはまったく同じでも,CCrを算出するとBはAの半分になってしまいます。低体重は抗凝固療法を行う際の出血リスクです。そのため,NOACsを処方する際は,禁忌ならびに減量基準の判断に,体重まで含めた包括的な出血リスク評価が可能なCCrが用いられているのです。したがって,NOACs減量基準としてeGFRを用いることはできません。

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