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魚に食われたお話 [エッセイ]

No.4746 (2015年04月11日発行) P.70

中田一郎 (白十字総合病院外科)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-21

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  • ある日の夕食後の団欒で妻は言う。母親(現在、83歳で青森県十和田市在住)に一度、パスポートを取らせたいと。その時は、“新しい写真を撮る”という別の目的があったようだが。私はテレビを見ながら“フンフン”と返事をする。さらに言う。やはりパスポートを取ったらどこかに行きたいわよね。80歳過ぎの高齢者を青森から連れ出そうというのだ。動くことは良いことだと相槌を打つ。時差も1時間、成田から3時間30分のグアムはどう?5月の連休に。

    決定は早く、直ちに航空券確保に努めたが、連休のためかデルタ航空の臨時便がやっと予約できた。そして妻の妹も同行することとなった。

    旅行の当日、期待を持ってチェックインすると、機材のやりくりがつかないとのことで出発が約6時間遅れた。グアム到着は日没後で、その日に初めての南国の景色を見ることはできなかった。しかし翌日の早朝、燦々と太陽の日を浴びたグアムの有名なタモン湾の景色は、新鮮で強烈であった。

    グアムは海洋性熱帯気候に属し、年間を通じて高温多湿の常夏の島である。ホテルの前には素晴らしいプライベートビーチが広がっており、ホテル滞在者には一定料金で開放されている。そこでは浮き輪、バナナボートなど多くのレクリエーション道具が置かれており、使用できた。その中にスノーケリングのマスクとスノーケルもあった。私は南国の陽気に誘われてマスクとスノーケルを手に取った。初体験である。

    スノーケリングにはマスク、スノーケル、そしてフィンの3点セットが必須であること、特にサンゴ礁の海ではブーツとストラップフィンの組み合わせが安全であること、ウェットスーツを着用すると身体全体に浮力がついて不安感も減少することなどの、スノーケリングの基礎について何も知識を持たぬまま始めたのである。

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