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語り継がれゆく噂(下) [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(97)]

No.4802 (2016年05月07日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

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  • 仲野は学生の筆跡から代筆をチェックしている、という噂もある。アホなことを言うな。数十枚もあるアンケートをいちいちチェックするほど暇人ではない。が、思い当たる節がないではない。これまでに二度、代筆で厳しい対応をしたことがあるのだ。

    ずいぶん前のことなのだが、友人の冨○くんの息子が学生にいた。その代筆が発覚したのである。出席カードの名前を見ると、「冨○」のはずが「富○」になっていた。自分の名字の漢字を間違う奴おらんやろ〜。

    他にも代筆をしている学生がいるに違いないが、チェックするのもじゃまくさい。「代筆に覚えのある人は名乗り出なさい。もし、名乗り出なくて後で代筆がわかった場合は厳罰に処します」と連絡したら、ずるずると20名もが名乗り出た。その子らを厳しく叱ったことは言うまでもない。

    こういうのは何度注意しても必ず繰り返される。業を煮やして、代筆がわかった場合はカンニングと見なし、留年させることに決めた。そして、初回の講義に全員出席させて、きちんとアナウンスをした。

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