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君子(?)危うきに近寄らず(下) [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(87)]

No.4792 (2016年02月27日発行) P.72

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-27

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  • 落ち着いて行動しようとしたばかりに、あわやという目に遭いながら、かまくら祭りの日に老舗旅館を焼け出されたというスリルに満ちあふれた展開が前回のあらすじ。

    かまくら祭りの週末である。代わりの旅館などあるはずもなく、「かまくら館」とかいう建物の会議室での避難民生活が始まった。新聞の取材も来ていて、翌日の朝刊には「『荷物持たず逃げた』、毛布くるまり恐怖語る」などという見出しが躍っていた。

    まぁ、実際にはそれほど緊迫した様子もなく、のんびりとしたものであったが、新聞報道などというのはそういうものだろう。朝まで避難民生活かと思っていたら、意外にも「部屋が用意できたので、お移りください」という。おぉ、感心なことだと思って移動したけれど、残念至極なことに「かまくら館」で毛布にくるまっていたほうが快適と思えるようなお部屋でありました。

    そんなわけで翌朝は早々に退去することに。すると、「市役所の聞き取りがありますから、お願いします」とのこと。はいはいと出向いて行くと、そこにはテレビ中継車が。普段なら、テレビカメラなど避けて通るのだが、ちょと魔が差した。

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