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大学のグローバル化と英語での医学教育 [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(65)]

No.4770 (2015年09月26日発行) P.74

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-13

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  • グローバルな大学を目指せという圧力が強くなるばかりだ。大学院の講義では、留学生に配慮して、英語で行うこともある。しかし、そうすると、大多数を占める日本人学生のほとんどが理解できない、というおかしな状況になる。

    先生によっては、まず日本語で説明をして、同じ文章を英語で繰り返す、という、涙ぐましい講義をしておられる。まるで英語教材である。実際にやってみたことがあるけれど、どうにもペースがつかめない。

    どうしても日本語での説明の方が長くなりがちだし、英語では冗談を言う余裕もあまりない。それに、たとえちゃんとできたとしても、講義で伝えることができる内容は、通常の半分でしかない。

    どうしてかわからないけれど、講義というのは、異常なまでに疲労度が強い。日本語であっても60分を3コマも続けてやると、へとへと。その日はもう何もする気がしないほど疲れ果てる。

    当然、英語での講義の疲労度はもっと強い。私の場合、1時間半が限度である。本当に頭痛がして、意識が朦朧としてくる。我ながら脆弱な頭である。

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