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Onco-Hypertension(腫瘍高血圧学)について

No.5157 (2023年02月25日発行) P.52

田村功一 (横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学主任教授)

西山 成 (香川大学医学部薬理学教授)

登録日: 2023-02-22

最終更新日: 2023-02-21

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  • 最近注目されているOnco-Hypertension(腫瘍高血圧学)について教えて下さい。
    香川大学・西山 成先生にご解説をお願いします。

    【質問者】田村功一 横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学主任教授


    【回答】

    【高血圧合併・がんサバイバーが激増しており,新しい学術領域として捉えた対策が求められている】

    日本国⺠の3⼈に1⼈は⾼⾎圧ですが,そのうち1/4しか適切に血圧をコントロールされていません。なぜ血圧コントロールがここまで不良なのかについては不明ですが,その割合は世界レベルで見てもダントツであることから日本特有の現象と言えます。

    一方,超⾼齢社会を迎えたわが国では2⼈に1⼈はがんを患う時代になりました。がんに対する新しい治療法の開発は目覚ましく,その結果として高齢のがんサバイバーが激増しています。当然,高齢でがんを発症した多くの患者は高血圧を合併しており,がん患者において最も高率に認められる合併症が高血圧症であることも容易に頷けます。さらに,VEGF(vascular endothelial growth factor,血管内皮増殖因子)阻害薬などの新しい生物製剤は血圧を上昇させることから,高血圧を合併するがん患者の増加スピードは超加速化しています。

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