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「食べ物多様性」を大事にしよう [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(53)]

登録日: 2016.09.08 最終更新日: 2026.02.21

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

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旅行や出張であちらこちらへ行く楽しみの一つは食べ物だ。全く期待していなかったのに、びっくりするほど美味しいものに出会ったりすると限りなく嬉しい。

マダガスカルは、フランス領だったためか、味付けが繊細であった。地面で逞しく育った「絞めたて」の鶏の料理などは、信じられないくらい力強くて美味しかった。

牛乳は大嫌いなのだが、モンゴルへ行った時、何十年ぶりかで飲まざるを得ない状況に陥った。ままよと飲んだら、むちゃくちゃ美味しかった。おぉ、知らない間に好きになっておったか、えらいぞと思い、帰国してから日本の牛乳を飲んだら、やっぱり吐きそうになるくらい嫌いなままだった。

旅先で食べたとびきり美味しい物を思い出すのは、なんとも楽しい。しかし、美味しさはそこそこであるがゆえ、ご当地以外ではあまり食べられない物を食すことこそ、旅の楽しみにすべきである。

そこそこというのがミソなのである。情報や輸送が発達した昨今、誰が食べても美味しいご当地ものは、すぐにいたるところへと羽ばたいていってしまう。そして、一気に全国区の食べ物になってしまう。


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