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一般外来で診る子どもの発達障害〈後編〉─関係者を「ねぎらい支える」[プライマリ・ケアの理論と実践(154)]

No.5130 (2022年08月20日発行) P.12

小橋孝介 (鴨川市立国保病院医療参事)

登録日: 2022-08-18

最終更新日: 2022-08-17

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SUMMARY
発達障害の診療の基本は環境調整である。保護者の「困り感」を言語化し,整理した上で,優先的な課題に対して具体的な対処法を伝えていく。子どもへの基本的姿勢として肯定的な言葉がけを忘れないようにする。

KEYWORD
環境調整
本人の「困り感」に沿って,本人が生活しやすいように周囲の環境を工夫することである。周囲にいる人が変わる「人的環境調整」と,周囲にある物を変える「物的環境調整」とがある。

小橋孝介(鴨川市立国保病院医療参事)

PROFILE
2005年自治医科大学卒業,2022年4月より現職。医師,公認心理師。日本プライマリ・ケア連合学会認定医・指導医,日本内科学会認定医,日本小児科学会専門医・認定指導医,日本小児神経学会専門医。

POLICY・座右の銘
なるようになる,全力を尽くせ

1 発達障害の支援の考え方

発達障害の支援・治療の土台となるのは,本人の特性に合った環境調整である。その上で,薬物療法やペアレント・トレーニング,ソーシャル・スキル・トレーニングなどの様々な子ども自身や周囲の大人に対する行動療法などを用いていく。

環境調整とは,本人の「困り感」に沿って本人が生活しやすいように周囲の環境を工夫することである。周囲にいる人が変わる「人的環境調整」(例:肯定的な声がけを増やす等)と,周囲にある物を変える「物的環境調整」(例:勉強の場所を変える等)とがある。

図1に示すように,医療機関には,家庭だけではなく子どもの生活の中で関わる学校などの場面において,どのように環境調整を行っていくかを伝えていくことが求められる。







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