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サノフィ:世界初のASMD治療薬「ゼンフォザイム」発売[新薬開発・販売 FRONTLINE]

No.5120 (2022年06月11日発行) P.15

登録日: 2022-06-07

最終更新日: 2022-06-07

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サノフィは6月3日、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(ASMD)治療薬「ゼンフォザイム点滴静注用20mg」(一般名:オリプダーゼ アルファ)の販売を開始したと発表した。薬価は20mg 1瓶57万420円。

ゼンフォザイムは先駆け審査指定制度(現先駆的医薬品等指定制度)に基づき承認された薬剤で、ASMDで唯一の治療薬となる。世界に先駆けて日本で臨床での実用が可能になった。

ASMDは、かつてニーマン・ピック病A型・B型と呼ばれていたライソゾーム病の一種。ライソゾームでスフィンゴミエリンと呼ばれる脂質を分解する酵素である酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)の欠損または活性の低下により現れる疾患で、スフィンゴミエリンが代謝されず細胞内に蓄積することにより細胞が死滅し、内臓等の機能に異常が現れるとされている。

サノフィが5月17日に開いたセミナーで秋田大小児科学教授の高橋勉氏は、ASMDの国内での罹患率は10万人につき0.5〜1.0人、国内患者数(65歳未満)は350〜500人と推定されていると説明。ASMD治療薬が日本で承認されたことの意義を強調し「ASMDの理解を広げ、診断と治療を確立すべき時が来た」と訴えた。

承認申請の根拠となった「ゼンフォザイム」の主な臨床試験
ASCEND試験(国際共同第2/3相試験):ASMDの成人患者36名を対象に、52週間にわたり、ゼンフォザイムの肺機能、脾容積と肝容積等に対する有効性をプラセボとの比較で検討

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