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アレルギー診療に携わる医療者のための 小児アレルギー疾患免疫療法 A to Z

小児アレルギー疾患の免疫療法を効果的に行うために!

定価:5,500円
(本体5,000円+税)

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編者: 勝沼俊雄(東京慈恵会医科大学附属第三病院 小児科 教授)
判型: B5判
頁数: 184頁
装丁: 2色部分カラー
発行日: 2020年12月15日
ISBN: 978-4-7849-3382-2
版数: 第1版
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると,本書の全ページを閲覧できます)

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小児アレルギー疾患の免疫療法を効果的に行うために!
専門施設が進める治療プロセスを基に,患者指導のポイントや急変時の対応を含む最新知見をこの1冊にまとめました。
アレルギー科,小児科,皮膚科などアレルギー診療に関わる医師(非専門医を含む)や薬剤師,小児アレルギーエデュケーターは必読です!
アレルギー疾患に対し唯一“完治(耐性獲得)”が見込める治療法である一方,インターネットでは誤った知識も拡散されている小児アレルギー疾患免疫療法。長期的管理や治療の評価基準など課題が多く,不適切な実施例も少なくありません。
本書では,専門施設が実際に進めている免疫療法のプロセスや症例を基に,ガイドラインでの扱いや文献レビュー,効果的な治療の進め方や日常生活のフォローを含む患者指導のポイント,急変時の対応など最新の知見を解説。小児アレルギー診療に携わる医療者に必要な知識を,1冊で補完できる書籍としてまとめました。

目次

第1章 小児アレルギー免疫療法の基礎知識
1 なぜ今アレルギー免疫療法なのか?
2 免疫療法のメカニズム
3 これまでの研究の進捗状況(歴史的経緯) 
4 国内外の現状
5 ガイドラインでの位置づけ
第2章 食物抗原に対する免疫療法
1 卵アレルギーに対する経口免疫療法 ①緩徐法
2 卵アレルギーに対する経口免疫療法 ②急速+緩徐法
3 卵アレルギーに対する経口免疫療法 ③少量維持法
4 牛乳アレルギーに対する経口免疫療法 ①緩徐法
5 牛乳アレルギーに対する経口免疫療法 ②急速+緩徐法
6 牛乳アレルギーに対する経口免疫療法 ③少量維持法
7 ピーナツアレルギーに対する経口免疫療法
8 その他の食物抗原アレルギーに対する経口免疫療法(小麦,果物,ナッツ類)
9 食物アレルギーに対する経皮免疫療法
第3章 吸入抗原に対する免疫療法
1 ダニによるアレルギー ①通年性アレルギー性鼻炎に対する免疫療法
2 ダニによるアレルギー ②気管支喘息に対する免疫療法 
3 スギ花粉によるアレルギー ①季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する皮下免疫療法
4 スギ花粉によるアレルギー ②季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に対する舌下免疫療法 
5 口腔アレルギー症候群と免疫療法
第4章 アナフィラキシーへの対応
1 アナフィラキシーのリスク管理のポイント
2 患者・家族への指導のポイント
3 学校・幼稚園・保育所の教職員への指導のポイント

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序文

アレルギー疾患における抗原特異免疫療法(以下,免疫療法)には100年以上の歴史がある。そして現時点においても,アレルギー根治のための唯一と言える治療法である。
その適応は花粉症(枯草熱)に始まり,蜂アレルギー,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎,気管支喘息,そして近年は食物アレルギーにも広がっている。
その方法も多様となってきた。当初の投与ルートは皮下(注射)であったが,現在は舌下,経口,経皮(接触)など多岐にわたる。免疫療法が効果を発揮するメカニズムも次第に明らかとなり,効果増強のためのアジュバント併用療法や副作用の軽減を期待した抗IgE抗体併用,ペプチドを用いた免疫療法の開発など,複合的な展開を見せている。免疫療法は今後,治療にとどまらず,予防も視野に,一層の発展を遂げることだろう。世界中の多くの人々が,アレルギーで悩みたくない・悩ませたくないという思いを抱いているのだから。
本書は,小児アレルギー疾患免疫療法のメカニズムや歴史的経緯に始まり,各論として食物アレルギー,アレルギー性鼻炎,花粉症,口腔アレルギー症候群について,抗原・疾患ごとに解説している。各項の冒頭には,内容の概略を「POINT」として箇条書きで示し,解説には,「方法」「有効性」「副作用」を必須項目として盛り込んだ。経験豊富な執筆陣に「自験例と問題点」を披露していただく一方で,視点が偏らないよう「推奨論文」も紹介するなど,読者が免疫療法を理解し,円滑に進めるための様々な工夫をしている。
執筆は,第一線で活躍する各分野のオーソリティー,エキスパートにお願いすることができた。依頼を快く引き受け,多忙の合間を縫いご執筆いただいた先生方に,この場を借りて深謝申し上げたい。
小児のアレルギー治療において,免疫療法が適正に広がっていく上で、本書が些かなりとも貢献できるなら,編者にとって望外の喜びである。

東京慈恵会医科大学附属第三病院小児科教授
勝沼俊雄

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