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ウエスト症候群(点頭てんかん)[私の治療]

No.5105 (2022年02月26日発行) P.51

下田木の実 (東京大学医学部附属病院小児科)

登録日: 2022-02-23

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  • ウエスト症候群は,①てんかん性スパズムと②ヒプスアリスミア,③発達遅滞・退行を伴うてんかん症候群である。原因は,基礎疾患(脳形成異常,結節性硬化症など)を有する症候性と原因がはっきりしない潜因性がある。発症の多くは1歳未満,発生頻度は,1万出生に対して3~5人である。

    ▶診断のポイント

    上記①②③,この3つがポイント。必ずしも3つそろわなくてもよい。

    【症状】

    スパズム:頸部・体幹・四肢を両側(非)対称性にごく短く屈曲/進展する動きで,最初は頸部と上肢が多い。数秒~数十秒間隔で10~20回くらい反復(シリーズ形成)する。時に啼泣を伴い,入眠期・寝起きに多い。
    発達遅滞:発症後は発達遅滞・退行を認める。

    【検査所見】
    〈脳波検査〉

    非発作時はヒプスアリスミアである。non-REM期に多いが,覚醒時に認めることもある。発作時は,速波群発,徐波複合,低振幅化などがある。
    * 高振幅徐波を背景とし,多焦点性の棘波が不規則に混在する脳波(図)のこと。

    〈基礎疾患の精査〉

    血液・尿検査など:血算,一般生化学(電解質・アンモニアなど),乳酸・ピルビン酸,アミノ酸分析,有機酸分析,染色体検査など
    頭部MRI・心臓超音波検査(結節性硬化症が疑われる場合)

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    早期に,発作消失,脳波異常を正常化させることによる,神経発達遅延の改善を治療目的とする。
    抗てんかん薬,ビタミンB6の効果が不十分な場合は,増量にあまり時間をかけず,禁忌がない限り速やかに副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)療法を考慮する。

    【治療上の一般的注意】

    ACTH療法は最も有効な治療1)で,発症後早期に開始する(1カ月以内が望ましい)。ただし,ACTH療法の副作用を考慮して,ある程度の検査結果が出るまで,他の薬物療法を先に試してもよい。

    ACTH療法の副作用を考慮して,治療前に基礎疾患を精査することが望ましい。結節性硬化症の心内腫瘍があるときは控えたほうがよいが,施行を検討する場合は,必ず循環器専門医と相談する。

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