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■NEWS 【国際脳卒中学会(ISC)】脳卒中だけでなく心筋梗塞後も認知機能低下に要注意?:大規模前向きコホート併合解析

登録日: 2022-02-15

最終更新日: 2022-02-15

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脳卒中が認知機能低下の一因であるのはよく知られているところだが、心筋梗塞(MI)も同様に認知機能低下リスクを増加させる可能性が示された。9日から米国ニューオーリンズで開催された国際脳卒中学会(ISC)において、Michelle C. Johansen氏(ジョンズホプキンス大学、米国)が、大規模観察研究を併合した結果として報告した。

解析対象とされたデータは、1970年代から2010年代までに実施された、Framingham Offspring研究、ARIC研究、MESA研究など、前向きコホート研究6報である。初回の認知機能評価時にMI既往と認知症を認めなかった31377例が解析対象になった。

これらを観察期間中のMI発症で2群に分け、発症後の認知機能の推移を比較した。

観察期間中央値6.4年の間に、1047例がMIを発症した。MI発症例は非発症例に比べ高齢(59 vs. 54歳)で、喫煙者が多く(21 vs. 18%)、また収縮期血圧(142 vs. 134mmHg)、LDLコレステロール(135 vs. 123mgdL)とも高値だった(いずれも有意差)。その上で、MI再発例と脳卒中発症例を除外した成績が示された。

まず包括的認知機能だが、MI非発症例は観察期間を通じて「0.5ポイント/年」低下した。MI発症例も発症までは非発症例と差を認めなかったが、発症後は低下率が「0.15ポイント/年」増悪していた(P<0.0001)。ただし、この低下率増加が認められたのはMI発症後2年以上経過後であり、MI発症直後には観察されなかった。「実行機能」「記憶」のみで検討しても同様の結果だった。

Johansen氏は本解析が、「MIへの治療の影響を考慮していない」などの限界があるとしながらも、MI後認知機能低下をもたらす機序や、効果的な介入法を探るべきだとの見解を示した。

解析対象となったコホート研究を含め、本研究への資金は公的機関から提供されている。

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