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特集:増加する子どもの摂食障害─プライマリケア医が知っておきたいこと

No.5102 (2022年02月05日発行) P.18

鈴木雄一 (福島県立医科大学小児科学講座学内講師)

登録日: 2022-02-04

最終更新日: 2022-02-02

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2003年福島県立医科大学医学部卒業。大学病院の小児科と精神科で初期研修。2010年から2年間,東京都立小児総合医療センター心療内科レジデント。2020年から現職。資格は小児科専門医,小児神経専門医,子どものこころ専門医。

1 子どもの摂食障害の特徴は何か?
・神経性やせ症は,摂食障害の中核となる概念で,「やせ願望」「肥満恐怖」「過活動」が三主徴である。
・子どもの場合,思春期以降の摂食障害に比して神経性やせ症の三主徴が目立たないことが多い。
・窒息のエピソードや,胃腸炎に伴う吐き気などをきっかけに発症することがある。

2 回避・制限性食物摂取症という新たな診断分類
・子どもに多く,以下の特徴を有する。
①やせ願望がはっきりせず,食べること自体への不安や恐怖が中心である。
②体重が減って死んでしまうことを恐れ,体重が増えると安堵することさえある。
③活動性が低下し,疲れや不安から食事以外の生活にも影響が出る。

3 重症度評価
・標準体重の計算方法に沿って,年齢別・身長別標準体重を計算する。
・標準体重比(%)={実測体重÷標準体重}×100を求める。
見守る上でここが大切

4 治療初期の身体管理
・カロリー負荷はゆっくり着実に行っていく。
・栄養を再開する(再栄養)時に注意が必要なことを念頭に置く。
①急にたくさん食べさせるのは危険(再栄養症候群のリスク)
②まったく食べずに体重が減り続けるのは危険(多臓器不全のリスク)
③外来での急速輸液は危険(急性心不全のリスク)

5 家族関係を基に発達や愛着を視野に入れた治療的アプローチ
・治療内容は施設の医療資源により異なり,様々な工夫がなされている。
・わが国の標準治療は定まっていないが,治療上大切なことはおおむね共通している。
①子どもの不安や過敏さに気づく
②子どもの不安や過敏さが軽減する環境を探す
③保護者が子どもの治療(主に体重増加)のために一丸となる

6 摂食障害の晩期合併症と次世代への影響
・低栄養の期間が長期化するほど,成長障害と骨粗鬆症が課題となる。
・女性の場合は,卵巣機能不全,妊孕性,低出生体重児の問題が加わる。
・うつ病や自死を予防するため,成人期は職場での産業医の役割が重要である。

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