国内での百日咳患者増加を受け、日本小児科学会は4月2日、3種混合ワクチンの追加接種などを呼びかけるコメントをホームページに掲載した。
コメントは、同学会の予防接種・感染症対策委員会(多屋馨子委員長)がまとめたもの。
百日咳患者報告数は、新型コロナ流行により2020年以降減少していたが、「2024年の中盤から増加傾向にあり、重症例も報告されている」とし、特に、乳児期の定期接種による免疫効果が減少してくる幼児期~学童期の感染者の報告が多いと指摘。
任意接種となるものの、ジフテリア、破傷風、百日咳に対する3種混合ワクチンを「就学前」と「11~12歳」に追加接種することが推奨されると呼びかけ、「百日咳の流行を抑制するためには定期接種への追加の検討が望まれる」と訴えている。
また、マクロライド耐性の百日咳菌の報告が増加していることから、百日咳患者の治療でマクロライド系抗菌薬の投与が終了しても、マクロライド耐性の可能性もあることを念頭に置くべきとし、「咳が続いている間はマスクなどの咳エチケットが必要。治療に対する反応で菌の消失を判断できないことに留意すべき」と注意喚起している。