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診診連携・在宅療養支援診療所[私の治療]

No.5063 (2021年05月08日発行) P.74

白髭 豊 (医療法人白髭内科医院院長/認定NPO法人長崎在宅Dr.ネット副理事長)

登録日: 2021-05-11

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  • 在宅療養支援診療所は,24時間往診が可能な体制を確保することが要件とされる。この要件を,在宅専門でない診療所が1箇所で実現することは難しく,相互連携によるシステム構築が不可欠である。本稿では,診診連携について概説する。

    ▶診診連携の類型

    川越らは,わが国における診診連携システムの特徴を,設立の経緯と構成メンバーの規模,副主治医の決定方法と患者情報共有,副主治医の待機・臨時出動と看護師との連携,カルテ作成と副主治医への報酬支払いの4つのカテゴリーごとに類型化した1)。このモデルは,新たに診診連携グループの構築を行う場合に活用できる。

    【設立の経緯と構成メンバーの規模】

    設立の経緯として,有志の集まり,あるいは医師会を母体とするかのいずれかがある。構成メンバーの規模は,5名以下の少人数か,20名以上の中大規模グループにわけられる。中大規模といっても,内部に形成された2~4人程度の小グループごとで機能していることが多い。

    【副主治医の決定方法と患者情報共有】

    副主治医の決定方法は,症例ごとに副主治医を決定する方法,不在時にすべての患者を当番医師に委ねる方法,連携医師が担当する患者は他の連携医師が自動的に副主治医となる方法,曜日ごとに副主治医を決める方法,訪問看護ステーション看護師が連携医に出動を要請する方法がある。

    患者情報共有の方法は,導入時に入手した診療情報を共有する,バックアップを依頼するときに電話やショートサマリーを作成する,定期的なサマリーを作成する,訪問看護指示書をサマリーとして活用する,患者用のメーリングリストを運用し,副主治医も参加してもらう,氏名と住所のみ患者情報を共有する,などの方法がある。

    【副主治医の待機・臨時出動と看護師との連携】

    副主治医の待機・臨時出動については,患者が副主治医に直接連絡する方法,主治医診療所の看護師や事務員がいったん患者からの連絡を受け副主治医に連絡する方法,不在時も主治医がファーストコールを受ける方法がある。主治医がファーストコールを受けるのは,休暇中の主治医が完全に解放されない点がデメリットである。

    看護師との連携では,主治医の診療所の看護師が副主治医の臨時往診に同行する方法が望ましいが,診療所看護師が時間外対応できるとは限らない。副主治医が訪問看護ステーションの看護師と連絡をとる方法では,病状や考慮すべき背景等を詳しく把握できる。

    【カルテ作成と副主治医への報酬支払い】

    診療録の作成は,主治医診療所の診療録に記載する場合と副主治医の診療所で新たにカルテを作成する場合がある。主治医診療所の診療録に記載する場合,副主治医を主治医診療所の非常勤医と位置づけることになるため,あらかじめ保険医登録を行っておくことが望ましい。副主治医の診療所でカルテを作成する場合は,その診療内容を事後に主治医に報告する必要がある。また,診療報酬の一部負担金を副主治医の診療所から請求する必要が出てくるため,患者が混乱するおそれがある。診診連携システムをより大きく発展させていくためには,副主治医への正当な報酬や評価が重要であろう。要した実働時間に1時間あたりで定めた報酬を乗じて支払う方法や1回の臨時往診ごとに報酬を設定する方法,実働がなくても待機料を支払う方法,看取り1件ごとに報酬を支払うなどがありうる。

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