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真のキャプテン[プラタナス]

No.5063 (2021年05月08日発行) P.3

田崎 篤 (聖路加国際病院整形外科・スポーツ総合医療センター医長)

登録日: 2021-05-08

最終更新日: 2021-05-06

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  • 「僕はこのままプレーします」。彼は迷わず答えた。

    彼は高校3年生、静岡の進学校のラグビー部キャプテン、そしてその4月に肩関節外傷性脱臼、関節窩面骨折(図1)を受傷した。今後反復性脱臼、不安定症に移行することは明白。「5カ月あれば手術から復帰できる、県予選に間に合う」。私は説得したが、彼は「チームづくりとして、ずっと主将として関わりたい」。手術を選ばず、痛みを堪えてプレーすることを決意して、静岡に帰宅した。

    彼との出会いは、中学2年時に遡る。学校の“将来なりたい職業”体験実習として、学校のラグビーコーチからスポーツドクターの職場見学希望として紹介された。彼は1人で聖路加を訪れ、許可を取り手術見学、そして数名の外来診察を見学した。その後、「医師になり、スポーツに貢献したいと決意した」と連絡を受けた。以後、彼の活躍を祈りながら折に触れて連絡を取り合った。

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