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臨床研究法[プラタナス]

No.5046 (2021年01月09日発行) P.3

村上 節 (滋賀医科大学産科学婦人科学講座教授)

登録日: 2021-01-09

最終更新日: 2021-01-06

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  • 私が卒業した1986年頃、わが国の産婦人科でも内視鏡下手術が行われはじめていた。3年間の卒後研修を終え帰局して腹腔鏡検査を習得したが、初めは気腹針やファーストトロッカーを盲目的に刺入するのが怖ろしかった。しかしながら、やがて子宮付属器の疾患や子宮内膜症の手術が保険適用となり、腹部に大きな傷跡が残らずに済む腹腔鏡下手術には光差す未来を感じた。学位取得後、科長として赴任した地方の病院に吊り上げ式の機器があったのが1つの転機となった。腹腔鏡下手術の困難さのひとつである操作性の制限が緩和され、その後は開腹で行っていた従来の手術を腹腔鏡下にどのように再現するかに知恵を絞った。

    写真は妊娠中の卵巣囊腫の症例である。大きな妊娠子宮の後方に埋もれた卵巣囊腫を、メトロイリンテルという産科で使用する風船のような器材を用いて妊娠子宮を押し上げて術野に移動させた。妊娠子宮を愛護的に扱うために考えた策が見事に奏効し、これまでなら10cm以上の腹部創を要したものが小さな3箇所の創で済み、一人ほくそ笑んだ。これに味を占め、その後も卵巣囊腫を把持するための道具を自作したり、子宮鏡下の筋腫摘出術の際にPGFを局注したり、様々な工夫を行った。

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