株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

免疫力を高める診療でコロナ時代を乗り切る[炉辺閑話]

No.5045 (2021年01月02日発行) P.53

上瀬英彦 (上瀬クリニック院長)

登録日: 2021-01-02

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年は、新型コロナで私たちの生活も考え方も激変を迫られた。三重県の片田舎の当クリニックでも三密回避のため、昨年の6月からは完全予約制となった。日本中いや世界中が、コロナ鬱なる状況下、当クリニックの今までの診療スタイルが決して間違っていないと確信した。それは、当クリニックは、免疫力を挙げる診療をスローガンに日常診療を行っていたからである。食をベースに運動を加え、メンタルを鍛え、笑いを取り入れた診療である。具体的には、推奨する食は、本誌2018年の「炉辺閑話」欄で取り上げた「朝フル・まご和食」である。元々は、疾病予防の健康食として位置付けた食であったが、その後ダイエット効果、2型糖尿病への効果(2016年の日本病態栄養学会発表、2018年の保団連医療研究フォーラム発表)、脂質への効果(2020年の日本動脈硬化学会発表)も判明し、アンチエイジング効果も手応えを感じている。

近年、フレイルが注目されている。そのフレイル対策として「メキメキ・カイカイ・シャレシャレ」を提唱。メキメキはときめき、きらめきで、私のお勧めは色めき。カイカイは生きがい、やりがいである。シャレシャレは駄洒落とお洒落。昨年は年中コロナ禍で免疫力はガタ落ち。そんな時こそシャレでも飛ばし、笑いで明るくいきたい。笑いは免疫力アップの最高のサプリである。もう1つのシャレ、お洒落もきわめて重要である。見た目が一番、中身は二番(?)、男も女も洒落気がなくなったら認知症の予備軍と心得よう。お洒落も免疫力を高める重要な方策なのである。免疫力さえ高めれば、がんもコロナ感染症も怖くはない。さらに大切な点は、否定的な言葉を極力使わないこと。高齢者の常套句「もう80歳……」の「もう」は当クリニックでは禁句である。「まだ80歳……」なのである。「もう」と「まだ」では、気分的に天地の開きがある。免疫力アップを実践する診療スタイルは、コロナ時代には最も重要であると再認識している。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

もっと見る

関連物件情報

もっと見る

page top