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骨粗鬆症(原発性)[私の治療]

No.5035 (2020年10月24日発行) P.34

宮本健史 (熊本大学大学院生命科学研究部整形外科学講座教授)

登録日: 2020-10-24

最終更新日: 2020-10-21

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  • 原発性骨粗鬆症は,低骨密度などにより骨の脆弱性が増した結果,骨折のリスクが高まった状態,と定義される。閉経や加齢などにより発症するもので,原疾患や薬剤投与による続発性骨粗鬆症とは区別される。単なる老化現象ではなく,病気であり,治療が必要であるという認識を患者側も治療する側も共有する必要がある。

    ▶診断のポイント

    薬物治療の開始基準は,①脆弱性骨折の既往あり(大腿骨近位部骨折または椎体骨折),②脆弱性骨折の既往なしだが若年成人平均値(YAM)の70%以下または-2.5SD以下の低骨密度,③骨密度がYAMの80%未満で椎体骨折と大腿骨近位部骨折以外の脆弱性骨折の既往がある,④骨密度がYAMの70%より大きく80%未満でFRAX®の10年間の主要骨折の確率が15%以上または大腿骨近位部骨折の家族歴がある1),に大別される。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    骨粗鬆症治療の目標は,脆弱性骨折の予防につきる。上記の薬物治療開始基準からわかるように,既存骨折がない場合は一次骨折予防,既存骨折がある場合は二次骨折予防が目標となる。原発性骨粗鬆症と一口に言っても,年齢や既存骨折の有無で,治療方針が大きく変わってくるので,本稿では便宜的に「重度」は高齢(75歳以上など)あるいは大腿骨近位部骨折もしくは複数の椎体骨折の既往あり,「軽度」は年齢的に若く(65歳未満など)既存骨折がない,「中等度」はその中間,とざっくり分類して論じることにする。ただ,個々の症例に合わせて最適な薬剤を選択し,骨密度変化や骨折発生の有無などの状況に応じて治療薬の再検討や継続,中止等を検討する必要があることは言うまでもない。

    薬剤の選択には,ガイドラインの各薬剤の評価が参考になり1),エビデンスレベルが高いビスホスホネート製剤のアレンドロン酸とリセドロン酸,それに抗RANKL抗体の使用が推奨されているが,筆者の場合は上述のような骨粗鬆症の程度に応じて使用する薬剤を使いわけている。薬剤選択のポイントとしては,各薬剤の骨代謝への影響や価格,性別などによる。「強く骨代謝を抑制する薬剤」としてはビスホスホネート製剤と抗RANKL抗体,「骨形成を促進する薬剤」としては副甲状腺ホルモン製剤,「骨形成促進+弱く骨吸収抑制する薬剤」として抗スクレロスチン抗体,「弱く骨吸収を抑制する薬剤」として選択的エストロゲン受容体モジュレーター(selective estrogen receptor modulators:SERMs)とエルデカルシトール,「骨代謝にほとんど影響しない薬剤」としてカルシウム薬やエルデカルシトール以外の活性型ビタミンD3薬,ビタミンK2薬などが含まれる。

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