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体外からの不整脈アブレーションの現状,将来性について

No.5018 (2020年06月27日発行) P.52

藤生克仁  (東京大学医学部附属病院循環器内科 特任准教授)

庄司正昭  (国立がん研究センター中央病院循環器内科医長)

登録日: 2020-06-24

最終更新日: 2020-06-23

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  • 近年,不整脈の侵襲的治療として,カテーテルやバルーンによって心臓局所に直接コンタクトを行うアブレーションではなく,体外からのアブレーションが有効であったとの報告があります。体外からのアブレーションの現状,将来性について,国立がん研究センター中央病院・庄司正昭先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    藤生克仁 東京大学医学部附属病院循環器内科 特任准教授


    【回答】

     【放射線アブレーションは将来性のある不整脈治療ツールとして期待できる】

    近年,がん治療に用いられる放射線を用いて不整脈治療を行う「放射線アブレーション」が大きなトピックとなっています。がん治療に利用される放射線は,「光子線」と「粒子線」に大きくわけられ,双方ともに不整脈治療にも応用が期待されています。

    光子線はエネルギーの高い光(電磁波)の一種で,代表的なものはX線あるいはγ線です。X線やγ線は間接作用で生じるラジカルによりがん細胞を壊死させますが,正常細胞への影響も少なからずあります。そのため被曝量を低減しながらもがん細胞に選択的に放射線照射を行えるよう,強度変調放射線療法(intensity-modulated radiation therapy:IMRT),体幹部定位放射線治療(stereotactic body radiotherapy:SBRT),ガンマナイフ,サイバーナイフ等の技術が開発されてきました。その技術を心臓に応用し,不整脈基質をターゲットとすることで難治性不整脈を根治しうる新たな治療法が,放射線アブレーションです。

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