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【識者の眼】「欧州の患者団体を手本にした日本脳卒中協会」峰松一夫

No.5007 (2020年04月11日発行) P.67

峰松一夫 (公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)

登録日: 2020-04-14

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脳卒中・循環器病対策基本法の成立について前回(No.5000)、「日本脳卒中協会(以下、本協会)が大きく貢献した」と記した。現在私が理事長を務める本協会について、紹介する。

本協会は1997年に任意団体として設立された。その目的は、「脳卒中に関する正しい知識の普及及び社会啓発による予防の推進ならびに脳卒中患者の自立と社会参加の促進を図り、もって国民の保健、福祉の向上に寄与すること」である。2005年には社団法人、2012年10月に公益社団法人の認可を受けた。会長(後、理事長)は、初代亀山正邦京都大学名誉教授、第2代山口武典国立循環器病センター名誉総長が務め、私が3代目を引き継いだ。事務所は大阪市に置かれ、宮城県を除く全都道府県支部46、政令指定都市支部2(横浜市、北九州市)、計48支部で事業展開している。宮城県は、本協会設立以前より対脳卒中協会が活動していたため支部は置かれていないが、本協会とは連携協力関係にある。

わが国には、以前より日本脳卒中学会や日本脳卒中の外科学会などの学術団体はあったが、一般市民や社会に対する活動は十分とはいえなかった。1990年代に北欧に留学した中山博文氏が、欧州の脳卒中患者支援団体の活動に感銘し、帰国後に本協会の設立に奔走した。設立後も、彼は事務局長、協会専務理事として、協会活動の屋台骨を支えている。彼なくして、脳卒中・循環器病対策基本法の法制化は実現しなかったといっても過言ではない。

本協会は、①協会ホームページ、広報誌、市民公開講座、新聞広告、AC Japanなどのテレビ、電話・FAX相談などによる啓発活動、②医師、医療従事者を対象にした教育活動、③脳卒中の意識調査や発症登録などの調査研究、④脳卒中・循環器病対策基本法に関する活動、⑤義務教育世代への脳卒中啓発─に積極的に取り組んでいる。

会員は、医療職、患者・家族、一般市民など約600名である。より多くの方が会員登録してくれることを願っている(入会のご案内→http://www.jsa-web.org/citizen/80.html) 。

峰松一夫(公益社団法人日本脳卒中協会理事長、国立循環器病研究センター名誉院長、医療法人医誠会臨床顧問)[脳卒中]

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