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大学入試センター試験はどこへゆく [なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(32)]

No.4733 (2015年01月10日発行) P.73

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-03-14

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  • 大学にとって1月の風物詩といえばセンター試験。いまや毎年50万人以上が受けるとか。過去20年以上もの間、大きなトラブルが生じなかったのは驚嘆に値する。この奇跡のような試験が可能な国は、世界中で日本だけではないかと誇りすら覚える。

    こんな大がかりな試験ができるのは、運営に細心の注意が払われているからだ。たとえば、試験前日の問題の小分け。一部でも紛失したら、試験を中止せざるをえないだろう。もちろん答案用紙の回収も。試験監督は、異常なまでに緊張しながら何度も枚数を数える。一枚でもなかったりしたら、どんな処分が待ち受けているかわからない。

    報道によると、そのセンター試験は2020年から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」なるものにあらためられるらしい。

    変更案のうちの一つは複数受験。おいおい、あんなたいそうな試験を年に何回もやるんか、実務にたずさわる側の事情も考えてくれ、と言いたくなる。

    思考力や判断力を見るために、一部は論述式にするらしい。膨大な数の答案を誰が採点すんねん、それも短期間に。「コンピュータ技術が確立すれば可能」って、ほんまか。

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