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心室期外収縮[私の治療]

No.5005 (2020年03月28日発行) P.42

蜂谷 仁 (土浦協同病院循環器内科部長)

登録日: 2020-03-26

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  • 検診異常で心室期外収縮(ventricular premature contraction:VPC)を指摘され循環器内科を受診する人の多くは無症状か,あっても通常の日常生活には問題のない例がほとんどである。
    本稿では,VPC治療適応を判断するホルター心電図評価法等,併せて高周波カテーテルアブレーション(以下アブレーション)治療における,心電図による起源予測・心臓電気生理検査について述べる。
    なお,アブレーションとは不整脈の起源, 原因となる部位をカテーテル先端電極からの高周波エネルギーにより焼灼する治療法である。

    ▶診断のポイント

    VPCでは,ホルター心電図による24時間当たり総数と好発時間帯の評価を行う。また,心電図所見の把握は,あらゆる心室不整脈の診療において重要である。

    【ホルター心電図】

    VPCの24時間当たり総数と好発時間帯(出現パターン)などを評価する。自律神経系の関与を推測することが可能となるからである。また,1)アブレーション時のVPC誘発,2)抗不整脈薬選択時に有用である。
    おおまかに3タイプの出現パターンが挙げられる。①活動時に出現するタイプと,②夜間安静時に頻発するタイプ(約5%の症例),および③1万~2万発を超えて頻発し,昼夜問わず24時間出現するタイプである。

    【トレッドミル検査】

    運動負荷に伴い明らかにVPCが増加する場合は,心筋虚血の関与を鑑別する必要がある。カテコラミン感受性多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia:CPVT)では,2方向性心室頻脈が特徴的である。

    【加算平均心電図】

    本検査による遅延電位陽性の場合は,心室頻拍基質の存在が疑われる。初期の不整脈源性右室心筋症や心サルコイドーシスの鑑別も視野に入れる。

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