No.4713 (2014年08月23日発行) P.73
仲野 徹 (大阪大学病理学教授)
登録日: 2016-09-08
最終更新日: 2017-03-27
かねて予告のとおり、モンブラン登頂を試みた。が、果たせなかった。行きの登山電車が動かないは、頂上の風速が秒速30メートル近くに達するはで、結局、断念。
不可抗力による断念である。体力や技術の問題でダメだったら、悔しかったり情けなかったりしただろうけれど、そういう感じはまったくない。青い空、真っ白な山、そして下の方には緑の草原。アルプスの登山というのはこういうものか、と、すばらしい景色に見とれながら登っていった(写真は筆者撮影)。写真などで見たことのある景色でも、実物は迫力が違う。
ガイドさんにマンツーマンでザイル確保をしてもらいながらの、楽しい登山であった。体調が万全だったので、空気の薄さも気にならず。とはいうものの、下山した時には膝がガクガクであったことは正直に告白しておきます。
モンブランへ登ってみようと思い始めたのは、去年の秋ごろ。登山経験はあるが、たいしたことないし、雪山の経験はゼロ。年が明けてから4〜5回、訓練をかねた冬山ツアーに参加して、アイゼンやピッケルの使い方を一から習い始めた。
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