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心房細動専門外来4年目に入って:Kanmaki AF Study[炉辺閑話]

No.4993 (2020年01月04日発行) P.14

河野雅和 ( 服部記念病院副理事長/社会福祉法人郁慈会理事/上牧町町医/香川大学名誉教授(循環器腎臓脳卒中内科))

登録日: 2020-01-01

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人口の高齢化に伴い心房細動症例は増加の一途をたどっており、60歳を超えると有病率が急峻し、65歳以上では人口の5.9%を突破すると推測されている。

心房細動は出現すると心房収縮が十分に行われなくなり、心房内に血栓が形成され、それが脳などに運ばれて心原性脳塞栓症や全身性塞栓症となる非常に重篤な不整脈で、寝たきりの主要な原因のひとつである。また、心不全のリスクを上昇させることも知られている。

心房細動がまた血管性認知症ばかりでなく、アルツハイマー型認知症の発症にも関与していることがトピックスとなっている。実際、心房細動患者ではTNF-α、IL-1、IL-6などとともに、血清アミロイドが上昇しているとの報告も認められる。

このような背景のもと、上牧町およびその周辺地域の高齢心房細動患者が中心の当院心房細動専門外来をスタートし、4年目に入った。当院の特徴としては75歳以上、特に85歳以上の高齢者が多くを占め、塞栓リスクであるCHADS2スコア、出血リスクであるHAS-BLEDスコアがともに高く、慢性心不全、慢性腎不全、高血圧の合併症が非常に多く、よりハイリスクであった。

85歳以上の高齢者が多い当院専門外来ではカテーテルアブレーションや外科治療は少ないものの、直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)の登場により出血リスクは減少し、血栓塞栓症も著しく低下している。

今後、比較的人口移動が少ない上牧町を中心とした地域の前期ならびに後期高齢心房細動患者さまの5年、10年の息の長い動向調査〔Kanmaki AF Study(後援:上牧町)〕を実地臨床の場で継続していき、上牧町に在住する心房細動を含めた循環器疾患の予防、治療に努め、上牧町民が生き活きと健康長寿をまっとうできるように上牧町のバックアップも頂いて、微力ながら貢献していきたいと考えている。

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