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陶磁器の区別できますか?[炉辺閑話]

No.4993 (2020年01月04日発行) P.75

八木 実 (久留米大学病院病院長/久留米大学医学部外科学講座小児外科部門教授)

登録日: 2020-01-05

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昨年5月、生まれて初めて有田の陶器市に行ってみた。たくさんの店と人で賑わい、様々な作品が店頭に並べられ、町並みからこれまでに至る歴史が垣間見られたとても有意義なひとときであった。

ところで、陶器と磁器の総称が陶磁器などと一般的に呼ばれているが、陶器と磁器では製造方法がまったく異なることはよく知られていることらしいが、お恥ずかしいことに、私は最近までひとくくりのものとして区別していなかった。

成書によると、陶器は主な原料として粘土(陶土)を用い、1100~1300℃で焼いたものをいい、「土物」と呼ばれる。十分に焼きが締まらないため、磁器に比べて柔らかく吸水性に富むが、通常は、光沢のある釉を塗って処理するから水を通すことはない。陶器は熱伝導性が低く熱しにくく冷めにくい。日本国内では美濃焼、瀬戸焼、信楽焼、萩焼、備前焼など、有名な陶器の産地がある。

これに対して、磁器は主な原料として陶石と呼ばれる岩石を粉砕した石粉を用い、1300℃で焼いたものをいい、「石物」とも呼ばれる。焼きが締まっていてガラス化しているため、吸水性はほとんどなく、陶器に比べてきわめて硬い。磁器は熱伝導性が高く熱しやすく冷めやすい。日本国内では有田焼、九谷焼などが有名だ。

陶器と磁器の鑑別法には色合いや透明度、叩いた時の音、重さなどがあるという。陶器より磁器のほうが透明度が高く、淡い色で透かして光を通さなければ「陶器」、白い色で光を通せば「磁器」と判定する。また、叩いた時に、鈍い音がすれば「陶器」、金属的な高い音がすれば「磁器」で、厚手で重いものが「陶器」、薄手で軽いものが「磁器」である。

さらに、焼き物の形とその呼び名の区別もどうか、と言われると意外とできない。皿と鉢の区別は?皿は底と口からなり器高/口径が1/3未満で、鉢は底と胴と口から構成され器高/口径が1/3以上のものをいうのだそうだ。甕と壺と瓶の区別はどうか?自分自身、漠然と頭には浮かぶが、明確に区別はできなかった。いずれも底、胴、頸、口から構成されるが、甕は頸径/胴径が2/3以上のものを、壺においては頸径/胴径が2/3以下のものを、瓶においては頸径/胴径が1/3以下のものをいうのだそうだ。用途では、甕と壺は物を入れたり蓄えることで、瓶では前二者の機能の他に注ぐという用途もある。言われてみると納得だが、意外と即答できないものだ。焼き物の成形、素焼き、下絵付け、施釉、焼成、赤絵付けなどを語る以前に、まずこんな定義があるのにびっくりした。

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