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教え方についての学習[炉辺閑話]

No.4993 (2020年01月04日発行) P.43

宮道亮輔 (東京慈恵会医科大学救急医学講座)

登録日: 2020-01-03

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皆さんは学ぶこと・教えることが好きですか?

医師である以上、学ぶことはある程度好きだと思いますが、教えることが好きかは意見が分かれそうです。

その一方で、住民への健康教室、多職種連携の会などでの専門職への教育、スタッフへの教育、後輩への教育、研修医教育、学生教育など、教育に関わる機会はたくさんあり、逃れることは困難です。どうやったら学習者に良い教育を提供できるか、を考えていたら、なんとそれを扱っている学問がありました。インストラクショナルデザイン(ID)です。「教育を効果的・効率的・魅力的にするためのシステム的な方法論」とのことです。関連書籍を何冊か読んだところ、内容は理解した気がしました。しかし、理解だけでは実践につながらないと思い、正式に学習してみることにしました。IDを学習する場所を探したら、セミナーや大学院が見つかりました。大学院では熊本大学(鈴木克明先生)と早稲田大学(向後千春先生)が双璧のようです。どちらも社会人大学院生を募集していました。前者は完全eラーニングで通学しなくてよいのがウリのひとつで、後者は通学が必須のようです。私は通学の少なさや学費の低さに惹かれ、熊本大学大学院 教授システム学専攻(Graduate School of Instructional Systems:GSIS)に入学しました。

入学すると、eラーニングの量が多く大変でした。しかし、教員や同期生とのやりとりを通して、独りで本を読んだだけでは得られない学びがたくさんありました。また、教材作成の課題を通して教材作成の要点を学び、修士研究を通して医学研究とは少し異なった教育工学研究の進め方を学びました。医療業界以外との付き合いもでき、視野も広がりました。社会人大学院はかなりヘビーな選択ですが、教員にも医師がいて孤独感はありませんでした。

一部の科目だけ履修できる制度もあるので、興味の湧いた方は、是非「インストラクショナルデザイン GSIS」などで検索してみてください。教育に興味のある方にお勧めです。

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