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医療AIとprecision medicine[特集:医療の近未来予想図]

No.4958 (2019年05月04日発行) P.28

小川弥穂 (東京大学医科学研究所先端医療診療センター分子療法分野)

横山和明 (東京大学医科学研究所附属病院血液腫瘍内科助教)

登録日: 2019-05-02

最終更新日: 2019-04-25

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  • 2015年1月米オバマ大統領の一般教書演説で使われたprecision medicine(精密医療)という言葉が世界に広まった。従来型の医療デザインで行われる治療は、平均的な患者群に効果的なものである。precision medicineは患者のゲノム情報、環境要因、生活スタイルの詳細な分析を行い、そのデータに基づいて分類した集団ごとに適切な治療および予防を行うという新しい概念である。

    がんは遺伝子異常の蓄積により発症すると考えられている。同じ病名のがんであっても、個々の患者で発症の誘引となるドライバー変異が異なることがある。その場合、従来型の画一的な医療で治療効果を期待できるのは一部の患者にとどまる。しかし、同じ遺伝子変異を持つ集団を標的とした治療を確立しprecision medicineを実現することで、全ての患者により適切な医療を提供することができる。

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