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下肢動脈インターベンションの新展開

No.4947 (2019年02月16日発行) P.56

大塚寛昭 (岡山大学循環器内科)

戸田洋伸 (岡山大学循環器内科)

伊藤 浩 (岡山大学循環器内科教授)

登録日: 2019-02-13

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【テクニックとデバイスは日進月歩】

人口の高齢化とともに,末梢動脈硬化症(PAD)患者は増加している。それに対して,カテーテル血管内治療(EVT)の進歩は目覚ましい。従来EVTには不向きで外科的バイパス術が行われていた長区域の閉塞病変に対しても,閉塞部位の近位側と遠位側から両方向アプローチで行うRendez-vousワイヤーテクニック,血管内のガイドワイヤーを体表面エコーガイドで確認するエコーガイドEVT,ガイドワイヤーリエントリーデバイスなどを駆使してのワイヤー通過成功率の向上など,高いEVT成功率が得られるようになった。

さらに,EVT後の開存性を確保するデバイスの工夫もなされている。病変長が長いものに対して一度に治療できるロングバルーン,ナイチノールステント,さらに下肢動脈ステントグラフトを駆使してスピーディーかつ安全に長区域閉塞病変に対するEVT手技が完結できるようになった。2018年7月より薬剤コーティングバルーン(DCB)が使用可能となったことから,再狭窄が減少し,一部の病変はステントを置かない治療スタイルに発展していく可能性がある。

一方,下肢切断リスクの高い重症下肢虚血(CLI)症例も増えている。それらの症例に対し,下肢切断を免れる(救肢)ことを目的に,今まで治療対象とならなかった膝下病変にEVTを施行する症例が増えてきた。下腿~足領域まで治療することに加えて,術後のフットケアと併せて救肢に至る症例も増えている。EVTの治療成績は年々向上しており,今後,下肢動脈の治療指針は変更されることが期待される。

【解説】

大塚寛昭,戸田洋伸,伊藤 浩 岡山大学循環器内科 *教授

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