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世界の認知症施策の動きとわが国の施策の良い点や改善点は?

No.4929 (2018年10月13日発行) P.57

武地 一 (藤田医科大学認知症・高齢診療科教授)

大田秀隆 (秋田大学高齢者医療先端研究センター センター長/教授)

登録日: 2018-10-13

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  • 世界(先進国,発展途上国)での認知症施策の動きとそこから見たわが国の施策の良い点や改善点について,厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室専門官であったご経験から,秋田大学高齢者医療先端研究センター・大田秀隆先生にお聞きしたいと思います。

    【質問者】

    武地 一 藤田医科大学認知症・高齢診療科教授


    【回答】

    【2017~25年度の世界行動計画が,わが国の「新オレンジプラン」を参考に策定された】

    大きなインパクトがあったものは,2017年5月に開催された第70回世界保健機関(World Health Organization:WHO)年次総会での「認知症の公衆衛生対応についての世界行動計画(Global action plan on the public health response to dementia 2017-2025)」1)の承認です。

    本行動計画は,WHOの関連する諸行動計画,WHOとAlzheimer’s Disease International(ADI)が2012年に発表した報告書,Global Dementia Observatory(GDO)の目的,2015年3月の第1回WHO認知症閣僚級会合の成果文書,持続可能な開発目標(sustainable development goals:SDGs),国連の障害者権利条約等をふまえたものとなっています。①認知症の人の人権,②認知症の人と介護者のエンパワメントと関与,③認知症のリスク軽減とケアのための根拠に基づいた実践,④認知症に対する公衆衛生対応における多セクター協力,⑤認知症のためのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ,⑥公平性,⑦認知症の予防,治療,ケアに関する適切な配慮,の7つの分野横断的な原則が定められ,その中で行動分野(action area)と世界的な目標(global target)が具体的,明確に定められています。

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