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本庶先生、おめでとうございます![なかのとおるのええ加減でいきまっせ!(221)]

No.4928 (2018年10月06日発行) P.64

仲野 徹 (大阪大学病理学教授)

登録日: 2018-10-02

最終更新日: 2018-10-02

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京都大学特別教授の本庶佑先生が本年度のノーベル生理学・医学賞に輝かれた。平成2年からの5年足らずではあったが、助手・講師として直接にご指導を受けた者として、心からお喜びを申し上げたい。

この1月、久しぶりに本庶研究室の同窓会があった。喜寿のお祝いを兼ねてであるのに、百数十人もの弟子がご招待いただくという誠にありがたいパーティーだった。

私もスピーチをしたのだが、皆が口にしたのは、ノーベル賞をお待ち申し上げているということ。そして、それぞれの人生にとって、トップ中のトップを目指せという本庶先生の指導方針がいかに貴重であり続けたか、ということだった。

在籍当時は、Cell、Nature、Scienceという三大誌にコンスタントに論文が出る、文字通り世界でもトップレベルの研究室であった。今となっては信じられないくらい厳しかったし、50人ほどもいたメンバーが汗水たらして本当に長時間働いていた。

三大誌に論文を出したことがない奴は廊下の真ん中を歩いてはいけない、というような雰囲気があった。中途採用で、そのような立派な論文がなかった私は、とても肩身の狭い思いをしていた。そのうえ、着任して2年ほどの間は研究が全く進まず、鬱々とした日々を過ごしていた。

それでも自由に研究させてもらえたのは実にありがたかった。そして、幸運にもScience誌に論文を出せて、大阪大学・微生物病研究所の教授に栄転することができた。本当にお世話になったと感謝している。

と書けば、えらく優等生であったように聞こえるかもしれない。けれど、実際にはよく叱られる不肖の弟子だった。研究の進め方で衝突したこともあったし、若気の至りでいらぬことを口走って厳しく叱責されたこともあった。連日連夜ぼやきながら、1日も早く脱出したいと願っていた。

そのころ、ある先生に「仲野君、そんなこと言うとるけどなぁ、いつか、あの時代がいちばん楽しかったと思う日がくるで」と言われたことがある。そんなわけないやろと思っていたが、今となっては、その予言があたったと言わざるをえない。

ご受賞なさったらさぞ嬉しいだろうとは思っていたけれど、第一報を聞いた時は鳥肌が立つほどに興奮した。本庶先生、本当におめでとうございます!!

なかののつぶやき
「本庶先生のノーベル賞が報道されるや、私のところにまで、友人達からお祝いのメールがたくさん来ました。さすがはノーベル賞です。本庶先生の会見はもちろんですが、テレビのインタビューで奥様がお喜びになっておられるご様子を拝見できたのも相当に嬉しかったです」

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